風邪・肺炎の予防 ~冬・腎臓の季節~
2011.12.24
抵抗力をつける!
これは具体的には、どういうことでしょうか?
衛生的にする。
体を鍛える。
しっかりと栄養を摂る。
充分な休養をとる。
いろいろありますが、あまり言われないのが「自律神経の安定」です。自律神経のはたらきが安定すると言う事は「内臓が正しくはたらく」と言うことです。
自律神経を整える東洋医学的な方法についてお話したいと思います。
冬。
空気が乾燥し、気温も低く、何もしなくても体力が奪われます。
風邪や肺炎など、流行性、伝染性の病気がとても気になる季節です。
冬に適した内臓の状態とは、どんなものなのでしょうか。
東洋医学では、冬は「腎臓」の季節です。
腎臓は寒さに弱い内臓で、冬がもっともダメージを受けやすいと言われ、この寒い季節こそ腎臓がしっかり働いてくれないといけないのです。
では、腎臓を元気にするにはどうすればよいか?
1、冷たいもの、生ものなどの摂り過ぎで内臓を冷やさない(激辛の物も熱を発散するので後で冷えます)。
2、体を冷やさない様に防寒をしっかりする。
3、できるだけ静かな生活をする。
4、腎の気を補う(鍛える)。
3について。
自然界では全ての動植物の活動が、極めて低い状態なります。その中でも活発な活動を続けている動物もいますが、ほんの一部です。すべての自然がひっそりとして活動を少なくする冬は、活動するのには不向きな季節なので、人間も激しい運動や体力を消耗し過ぎることは避けた方が無難です。
そして、4の「腎の気を補う(鍛える)」です。
腎臓は泌尿器や生殖器のはたらきを司どっていますが、東洋医学的に大事なはたらきは、
「気を下ろす」
と言う事です。
人間は他の動物にくらべて頭脳がとても発達し、頭脳の活動がとても活発です。しかし、常に神経を使い過ぎると、気が上に上ったままになり、血液も停滞して、熱も胸(心臓、肺)から頭に停滞します。
そうなると、頭痛や目の疲労が起こりやすくなったり、心臓がドキドキしたり、息切れしやすくなったり、のぼせたり、いらいら落ち着かなくなったり、咳や呼吸が苦しい(喘息に似た症状)、その他心臓や肺など上の方にある臓器の症状が出やすくなります。
そうならない為に、腎臓が気を下ろす働きをしている訳です。
腎臓はまるで、気が上り過ぎない様に下に引っ張っている「船のイカリ」の様な存在です。
その働きを強める簡単な運動をご紹介しましょう。気功の基本的な立ち方と姿勢です。
1、足は肩幅くらいで、つま先は平行かやや内側を向く様にして、膝を軽く曲げて立ちます。できるだけ、腰の反りを少なくして腰、骨盤をできるだけまっすぐにします。
2、肩の力を抜いて、軽くあごを引きます。
3、軽く息を吐いて、みぞおちの力が抜けていることを確認します。
手の形は大きなボールを抱えた様な形や、ピアノをひく様な構えがありますが、ここでは両腕を自然にだらりと下げた状態で構いません。
この状態は、リラックスした上半身の重みが下半身にかかり、軽く膝を曲げているので、両脚に負荷がかかります。つまり、全体的にリラックスして力を抜いているのに、筋力トレーニングになるのです。
また、下半身の筋肉に力がこもる事で、下半身の血圧と血流が上がり、足腰の冷え症が改善します。また上半身はリラックスしているので、上半身の血圧は下がった様な状態で、理想的な「頭寒足熱」の状態に近付きます。
この状態で1分でも3分でも、ただじっと立っているだけです。
慣れれば15分、またそれ以上の時間立っていることができますが、長ければいいというものでもありませんので、ただリラックスして楽に呼吸することに注意して下さい。
自律神経を正常な働きにする為にも、緊張の合間にしっかりしたリラックスができる様にしてあげる事で抵抗力が増して、風邪予防や血圧の安定にもなります。