鍼灸の治療って?
一口に鍼灸と言っても、いろいろなスタイル、流派などがあります。
まずは、いろいろある鍼灸治療のスタイルの違いについてお話します。
●鍼灸治療のスタイル
鍼灸治療には大まかに分けると以下の2つに分かれます。
1、現代医学的なもの
本来の東洋医学の考えに基づくものではなく、
現代の医学の考えで“筋肉”や“靱帯”、“神経”などを治療の対象と考え、
それに対して鍼やお灸でどの様な刺激を加えるかを考えるスタイルです。
2、伝統的な鍼灸
昔から伝わる「東洋医学的な考え」にもとづいた鍼灸治療です。
体のとらえ方も現代医学とは違い、“経絡”と言う神経や血管とは
違った流れを目標にして治療を行います。
ですから痛む部位や症状のある部位から遠く離れた部位でも、
経絡によってつながっているので、そこを治療しても効果が出るのです。
当院で行う鍼灸治療は「経絡治療」と呼ばれるもので、
伝統的な東洋医学に沿ったものです。
肩こり・腰痛・膝痛などの部分的な痛みの症状を取り除くだけではなく、
全体の回復力を高めながら、部分的な症状も治癒にみちびきます。
また、その方の体質により、なりやすい症状もアドバイスできますので、
予防法としても最適です。
●経絡治療とは?
~どんな鍼を使うの?~
現在あるものの中でもかなり細いサイズで、
「0.14mm」
と言う髪の毛ほどの細いものを主に使っています。
~どれくらい刺すの?~
あまり深く刺すことはありません。
皮膚の下、0.2mmくらいの浅いところにも
様々な感覚の神経(熱い寒い・押されている・痒いなど)
があるので、浅く刺してもきちんと自律神経にまで作用することができ、
血行がよくなって温まり、リラックスできたりするのです。
また、しつこい痛みや骨折やねんざの後遺症など、
症状によっては深い鍼も必要な時があります。
→「鍼灸の種類」のページをご覧下さい。
~どんな人に合うの?~
東洋医学の診断により、その人の体質や症状の微妙なちがいを
区別して治療しますので、子供から大人、スポーツ選手など、
ほぼどなたにでも合わせることができます。
病院の検査では異常は無いが、何だか不調でなかなか良くならない、
そのような方には免疫力を高め、根本から癒す経絡治療がお勧めです。
★診断法について
検査機械の無い時代の医学なので、体に現れる様々なサインを注意深く観察します。
脈やお腹の状態、皮膚の状態や顏色、声や話し方などから、微妙な個人差を判断します。
同じ様な症状、同じ病名だとしても、治し方は同じではありません。
健康法なども人によっては、かえって体を悪くすることもあるのと同じです。
~どんな症状に効くの?~
現代医学のように手術などはできませんが、ほぼどの様な症状にも適しています。
「整形外科」、「内科」、「婦人科」、「心療内科」など、
現代医学の治療と併用も可能で、より治りを早める効果もあります。
東洋医学では「髪・爪・皮膚・筋肉・骨」など、
体のどの部分でも内臓が栄養を送り、養っていると考えます。
内臓の調整、つまり自律神経のはたらきを安定させることにより、
すべての症状の治りを良くするのです。
そのため、「全身治療」と「部分的な治療」を同時に行います。
自律神経失調症・更年期障害・不眠症・慢性疲労などでお困りの方
自律神経失調症、更年期障害、慢性疲労、パニック障害、不安神経症、
うつ病、摂食障害、過食症、慢性疲労、不眠症、重度の冷え性、生理痛、
月経不順、不妊症など実に様々な症状の改善に効果的です。
胃腸障害、過敏性腸症候群、糖尿病、高血圧などでお困の方
胃痛などの内臓疾患、糖尿病・高血圧などの生活習慣病、
喘息などのアレルギー症状に至るまで、経絡治療が適応となります。
これまでに、様々な治療を試したが、改善しないとあきらめている方も、
効果を期待できます。
~効果~
●部分的な身体の痛みを緩和
肩・腰・膝の痛み、神経痛などの「痛み」は
気の滞りによって生じると東洋医学では考えられてきました。
経絡治療によって、部分的な気の滞りを解消します。
●全身倦怠感や慢性疲労の解消
慢性的な体調不良、自律神経失調症、更年期障害といった
原因が特定されにくい全身症状を緩和するために経絡治療が用いられています。
また、神経性難病の治療にも古来より経絡治療が用いられております。
●病気予防、健康長寿の治療
体質改善や全身調整により、病気に対する抵抗力を高め、病気になりにくい身体をつくります。
●美容効果・美肌づくり
美しさの決め手となる肌のはり・つやは健康な内臓によって保たれています。
東洋医学では内臓が皮膚を養っていると考えます。
経絡治療で内蔵の状態を整え、肌に潤いを取り戻します。