●ストリートダンス・ジャンル別の症例
ストリートダンスの動きは、初心者であれば、慣れない動きのため、かなり疲労します。
しかし、動きになれたはずの上級者でも、慣れている分、難しい動きが多くなってくる、練習時間も増えてくる、などの理由により、慢性的に疲労がたまります。
以下、ジャンルごとによくある特徴を書いてみます。
【ブレイキン】
言わずと知れた、もっとも激しいジャンルです。かっこよさも強いためか最近では低年齢化してきたり、反対に年齢のいった方でも続けている人も多い様です。
成長期の大事な体や、疲れが抜けにくい年齢の体、両方から見てもケアやコンディショニングの必要性も高いです。
近年の技の進化やアクロバットの導入などにより、よりシビアな肉体管理が必要でしょう。
症例 )膝を回すと痛い、手首の痛み、肩が上がらない、肘を床に着くと激痛がある、足首の捻挫、首から背中の痛み、腰痛、など。
【ポッピン】
ヒットやロール、アニメーションなど、自分がメインとするスキルによってスタイルもいろいろです。スタイルによって、痛めやすい部分も変わりますが、似た点は多いです。
負担が大きいと感じるのは、つま先でのステップ、強烈な膝のヒット・肩のヒット、肩などの可動域を超えた軟体系の技、うねりの大きい首のロールやスネーク、不安定な姿勢を支える股関節など、人間離れした動きをするので負担がかかる部分も多いです。
症例 )肩や首の痛み、腕のしびれ、膝の痛み、足指の痛み(外反拇趾)、背中の痛み、など。
【ロッキン】
人にやスタイルによってもまちまちですが、ロッキンは足を左右に開いたり、横に体を使うことが多い様で、骨盤が“開き傾向”の人が多い様です。
独特の軽い前傾姿勢で踊ることもあり、背中の疲労もたまりやすく、その分足腰でカバーしようとするので、腰や膝にくることも多いです。
また、腕の動きが多く、それと同時に首でいろいろな方向にリズムを取りますので、首から背中の痛みもよく起こります。
症例 )首から背中の痛みやコリ、腰の痛み、膝の痛み、足裏の痛み、など。
【ヒップホップ】
年々複雑さや多様さを増しているジャンルです。
大きなステップから、細かいステップ、アニメーションの様な体のパーツごと別々に連続させる動き、体を大きくうねらせたり、中腰の低い体勢の不安定な状態で踊り続けたり。
症例)慢性的な腰痛、背中の痛み、足の裏・または指の痛み、膝の痛み、など。
【ハウス】
連続ジャンプの様な動作が続き、早めの曲で軽快で素早いステップが多いジャンルです。
他のジャンルと同様に、首や背中などにくる場合もありますが、やはり脚の疲労はたまりやすいでしょう。
また、上半身をうねらせる様なグルーヴの取り方も続くので、腰や股関節などにも注意が必要です。
症例 )足底筋膜炎、アキレス腱炎、ふくらはぎの肉離れ、治りにくい腿の裏側の張り、など。
【ソウル】
ヒップホップができてからは、ソウルだけを踊る方は少ない様です。オールドスクールのロッキンやポッピン、そしてパンキングやハウスなどと併用されている方が多く見受けられます。
すり足の様な軽快なステップと、ステップを踏みながらの滑らかなボディリズムが特徴です。
軽い前傾姿勢で連続するステップからくる腰や股関節の痛み。また、胴体のうねる様な動きからの変化で、背中の片側だけが痛いなどと言うことがよく見られます。
症例 )首から背中の痛み、股関節や腰の痛み、肩のひっかかり、など。